小田前社長は島建地質調査創設の6年後となる昭和53年に島建に入社され、42年間島建一筋でお勤めされました。現在の島建としては最古参となります。

前社長のお人柄は、皆さんもよくご存知の通り、一言で言うととても優しい方です。前社長が声を荒げ怒りをあらわにされることや、人の悪口を言われるところは誰一人として見たことはないと思います。これまで職人気質の頑固な諸先輩方や、勢いだけの我々生意気な後輩社員に対し、怒りが込み上げることも多々あったかと思います。

小田前社長が社長に就任された平成18年の島建の業績は、最悪の時期でした。私との社長交代の時に奥様からお聞きしたのですが、前社長は当時毎晩「どうすればこの苦難を乗り切れるか」を考え、眠れぬ日々が続いていたそうです。確かに大変な時期でしたが、社長の苦悩をその立ち居振る舞いから社員が感じることはありませんでした。これも前社長の優しさだと思っています。
優しさは一歩間違うと弱さになってしまいますが、小田前社長には、「それを貫き通すことができれば強さに変わるんだ」ということを教わった気がします。

現在６６歳とまだ若く、島建に力をお貸しいただきたいのですが、ご両親の介護に専念されるということで、残念ですがお別れということになりました。今後はご両親への親孝行とともに、関門海峡に浮かぶ巌流島を眺めながら釣り三昧の日々を過ごされると思います。

どうかお元気でお過ごしください。
大変お世話になりました。
ありがとうございました。

代表取締役　多久和 豊